飲み物に関する本はカテゴリーごとの専門書から入門書とされるカジュアルなもの、試験対策やレシピ本、エッセイ風のものから旅行記、さらに雑誌での特集など多岐に渡ります。
そんな数多くの飲料本の中から、この1年間に読んだもののなかで、個人的にもっとも印象に残った本を「PROPOSI大賞」として、独断と偏見と愛をもって、勝手にここに紹介したいと思います。
それでは早速、紹介いたします。
2025年の受賞本はこちら
ミルクマイスター高砂さんによる『ミルクの本』(自由国民社)です!
おめでとうございます。

<出版社リンク>
https://www.jiyu.co.jp/book/b10149771.html
<おすすめリンク>
AmazonよりもB Corp認証企業であるバリューブックさんの方をお勧めしたいので、こちらのリンクも貼っておきます。https://www.valuebooks.jp/ミルクの本/bp/VS0092889572
「ミルクマイスター」という初めて聞く肩書きに相応しい著者による、熱い想いのこもった本です。想いが熱すぎてホットミルクになりそうなぐらいの内容です。
冒頭では牛乳の基礎知識が分かりやすくコンパクトに書かれています。イラストも可愛く、読みやすいです。しかしながら、この本で圧巻なのが、200種類を超える全国の「ご当地牛乳」が写真とコメント付きで解説されているメイン部分です。都道府県ごとに分けられ、レトロやモダンや様々なパッケージ、聞いたことのなかった生産者が掲載されています。これは今までありそうでなかった(であろう)牛乳本です。
デザイナーでもある著者。その美的感覚は本の装丁やイラストの配置など、隅々から感じられます。本として純粋に可愛い仕上がりです。
そして何より感銘を受けたのが、牛乳の味わいコメント。
「本当に全て飲んでるな」と感じる実直なもので、どの言葉も著者の牛乳愛をストレートに感じることができます。本当は乳脂肪分高めのこってりとした想いもあるのでしょうが、実にスマートに簡潔にまとまっており、良いです。
マニアックになりがちな「ご当地比較」企画ですが、読者にとっての分かりやすさを優先しているように感じました。
生産者のエピソードや書き足りない情報はおそらく山ほどお持ちなのだと思いますが、脳あるタカは爪を隠す。必要最小限にすることで、誰にとっても親しみやすく、ポップな形に仕上げられています。編集も含めてプロの仕事だと感じました。
ニュースを見ていると、牛乳の消費量の低下や飼料の値上がりなど、厳しい情報を見聞きします。また、国内の酪農家は8割以上が赤字経営とも言われており、他の農業以上に課題が蓄積した業界だと聞いています。
個人的には牛乳がなくなる未来は嫌です。PROPOSIとしても何とか応援していきたいと考えています。
それまではこの1冊を予習として、または参考書として強くおすすめします。日常の一杯を見直すための、おそらく国内で手に入るもっとも愛に溢れた牛乳本です。