運動後にノンアルを、というニュースを見た。ノンアルコール市場は大きく拡大しているようで、酒離れ、インフレ、人口減少など逆風の大きな飲料業界にとって最も期待できるカテゴリーなのだろう。飲料メーカーからの ”負けられへんで” といった気合いを強く感じる。
そんな中、世間ではまだノンアル飲料とどう付き合うべきなのか、コンセンサスの形成途中といった印象を抱く。例えば未成年に飲ませても良いのか?またはサラリーマンのランチ休憩でもOKなのか?といった例である。アルコールが0.00%ならば法律としても問題ないはずなのだが、教育として良くないとか、アルコールを飲んだときの感覚が鈍るとか、仕事中には相応しくないとか、その理由はさまざまで未だ議論の途中といった感じである。確かに小学生が「塾が終わってアサヒで乾杯」とか言っていたら将来が不安になるし、ディスクワーク中のおじさんがノンアルビールやノンアルワインを飲んでいたら、やさぐれた哀愁を感じてしまい昼間でも残業になってしまいそうだ。はたまた市役所職員や病院スタッフの手にノンアル酎ハイが握られた日には待合席からのクレームは確実だろう。とはいえ、それがホイップクリームを追加したラージサイズのフラペチーノなら問題ないかというとそれも何だか “相応しくない“ ものとされるのかもしれない。
結局、何を飲むかというよりも世間がイメージするTPOに合っていないということなのだろう。まぁ他人が飲んでいるものを”相応しいか“決めること自体がそもそも間違いなのだけれど。以前、透明の清涼飲料が流行した時があった。コーヒーやミルクティーなどが透明になっていて、外観は水と変わらないものだ。これも第三者(学校の先生やクレーマーな顧客)からの指摘を避けることができると言って人気に拍車がかかったと聞いたことがある。月日が経っても問題の根幹は同じように感じる。
嘆いていても始まらない。メーカにとってはノンアルに相応しいTPOって何だろう、と考えるのがこれからの市場の創造につながる。今後さまざまな新商品が登場するだろうけど、「アルコールが入ってそうなノンアル飲料」から「アルコールらしさのないノンアル飲料」さらには「ジュースのようなノンアル飲料」が散々溢れた結果、ようやく本当のノンアル市場が出来上がるのかなと考えている。消費者としてはその日が来るまで、他人に踊らされていることを意識しながらも、好きな踊りを続ければ良いのではないのかと思う。